婚活アプリで出会った、彼のやさしさ

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「はじめまして。プロフィールに惹かれました」
平凡なあいさつだった。でも、なぜか心に残った。
彼・タカシさん（仮名）は、婚活アプリで出会った中で、一番話しやすかった人だった。

お互い犬が好きで、休日はのんびりカフェ派。
会うのは3回目だったけど、初めて手をつないだ帰り道、私は「この人かもしれない」と思っていた。

「ごめん、他の人と真剣に向き合うことにした」

LINEの通知音が鳴った。
画面には、彼の名前。そして、別れの言葉。
頭が真っ白になった。ついさっきまで、次に行きたい水族館の話をしていたのに。

婚活って、こういうものなの？
数字と写真で選ばれて、気づけば「選ばれなかった人」になっている。

アプリを消そうとした。でも、なぜか指が止まった。
「出会いがあるだけマシじゃん」と、強がって笑っていた友人の言葉が胸に刺さる。

一人で食べるコンビニごはんが、やけにしょっぱかった。
どこで間違えたんだろう。何がいけなかったんだろう。

数日後、婚活ブログを偶然読んだ。
「婚活で傷ついたのは、誰かを本気で好きになった証拠」
そう書いてあった。なぜか泣けた。

婚活って、恋愛よりも残酷なこともある。
でも、恋をしたことは、決してムダじゃない。
そう思えたら、少しだけ前を向けた。

・いい感じだったのに、急にフェードアウトされた
・結婚前提のはずが、相手はまだ遊びモードだった
・プロフィール写真と実物が全然違った
婚活には、そんな「あるある」が溢れてる。

それでも、いつかちゃんと「本物の誰か」に出会えるかもしれない。
そんな希望が、今は少しだけ、胸の中にある。

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